JR芸備線とバス(農村交通班)

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 こんにちは。農村交通班の八田です。
 現在班員は私のみで、単独で研究活動を行っています。
 さて昨年12月、「JR芸備線」の沿線自治体である岡山県新見市・広島県庄原市を訪問し、現地調査を行いました。
 芸備線のうち新見~三次間はJRのローカル線のなかでも利用者が極端に少なく、1日3往復しか列車が走らない区間もあります。昨今はバス転換、つまり鉄道の廃止に関する議論も出てきています。
 芸備線の実情とそれを取り巻く環境を理解するため、現地に足を運んで調査を行いました。
現地には3日間滞在し、実際に列車に乗ることで利用状況を体感したほか、芸備線を補完する形で運行されている路線バスにも乗車しました。
 その結果、多くの区間でバスの乗客数が列車のそれを下回っており、より厳しい利用状況にあることが感じられました。年末の期間ということもあり、芸備線の列車内には帰省・旅行目的での利用者が数名見られましたが、路線バスにそのような乗客はいませんでした。
 また、現地の方と話していると、芸備線への不満や、廃止を危惧する声は度々聞かれましたが、バスについて言及する方は皆無であり、現在の沿線地域におけるバスの存在感の低さが感じられました。
 バスは鉄道よりも小回りが利くため、地域交通としては優れている面も多くあります。にもかかわらず、バスがあまり利用されず、鉄道に代わる交通手段として期待されないのはなぜなのでしょうか。そして、それを解決する手立てはあるのでしょうか。今回の訪問がきっかけとなり、新たな疑問が生まれました。今後、夏にもこの地域にお邪魔し、当面の研究テーマとしてこの問いに取り組んでいきたいと思っております。

庄原市西城の街並みと芸備線

これがバス停です

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